省力化補助金とは?カタログ注文型と一般型の違い・上限額を解説

「人手が足りない。求人を出しても応募が集まりにくい」——こうした人手不足に、省力化設備への投資で対応する中小企業等を支援する制度が「中小企業省力化投資補助金」です。

制度には「カタログ注文型」と「一般型」があり、対象となる設備、補助上限額、申請方法が異なります。この記事では、2026年8月3日時点の公式情報をもとに、2つの型の違いを整理します。

目次

省力化補助金とは:人手不足対応の設備投資を支援

省力化補助金は、IoT・ロボットなどの省力化設備を導入して、人手不足の解消と生産性向上を図る中小企業を支援する制度です。ポイントは「人がやっている作業を設備に置き換える」ことが目的の補助金だという点で、単なる設備の買い替えや、新製品開発のための投資とは狙いが異なります。

ものづくり補助金が新製品・新サービスの開発等に向けた投資を支援するのに対し、省力化補助金は人手不足の解消につながる設備投資を支援する制度です。ただし、投資目的が省力化であれば必ず対象になるわけではありません。対象経費、省力化効果、労働生産性や賃上げに関する要件を、公募要領で確認したうえで制度を選ぶ必要があります。

2つの型:カタログ注文型と一般型

カタログ注文型の補助上限額

従業員数通常の補助上限額大幅賃上げ特例適用時
5人以下500万円750万円
6~20人750万円1,000万円
21人以上1,000万円1,500万円

補助率:2分の1以下です。上記は2026年3月19日以降の上限額です。大幅賃上げ特例の上限額を利用するには、通常の申請要件とは別に特例要件を満たす必要があります。

一般型の補助上限額

従業員数通常の補助上限額大幅賃上げ特例適用時
5人以下750万円1,000万円
6~20人1,500万円2,000万円
21~50人3,000万円4,000万円
51~100人5,000万円6,500万円
101人以上8,000万円1億円

補助率:中小企業は2分の1、最低賃金引上げ特例を満たす場合は3分の2、小規模企業者・小規模事業者および再生事業者は3分の2です。ただし、補助金額が1,500万円を超える部分の補助率は3分の1です。大幅賃上げ特例の上限額を利用するには、別途その特例要件を満たす必要があります。

カタログ注文型では、補助金の製品カタログに登録された機器・製品から導入するものを選びます。一般型では、事業者の現場や業務に合わせた設備・システムを含めて検討できますが、個別の省力化投資計画を作成し、審査を受ける必要があります。

カタログに登録されていない設備だからといって、自動的に一般型の対象になるわけではありません。設備の内容、対象経費、導入効果などを公募要領と照合してください。カタログ注文型は、おおむね2027年3月末頃まで申請受付が予定されています。

どんな設備が対象になる?(業種別のイメージ)

対象になり得る設備のイメージは、業種ごとに次のとおりです。

  • 飲食業:配膳ロボットや自動精算機
  • 宿泊業:清掃ロボットやチェックイン機
  • 製造業:自動搬送や検品の自動化装置
  • 建設業:測量や施工を省人化する機械

このように、「人がやっていた作業を置き換える」設備が幅広く対象になり得ます。自社の現場で「毎日誰かが時間を取られている単純作業」を洗い出すことが、対象設備選びの出発点です。

審査で見られるのは「省力化の効果を数字で言えるか」

一般型では、設備導入前後の工程や作業時間を整理し、省力化の効果を数値で示した事業計画を作成します。「作業が楽になる」という説明だけでなく、次の3点を具体化することが重要です。

  • 現状:どの工程に、どれほどの時間がかかっているか
  • 導入後:作業時間をどの程度削減できるか
  • 時間の使い道:その時間や人員を、どの業務へ振り向けるか

労働生産性や賃上げに関する要件もあるため、設備導入後の運用まで含めて計画してください。

岐阜県内で省力化を検討するときの相談先

2026年4月、岐阜県よろず支援拠点内に「生産性向上支援センター」が設置されました。同センターは、中小企業・小規模事業者の省力化や生産性向上について、複数回・現場訪問型の伴走支援を行うと案内しています。

補助金の採択を保証する機関ではありませんが、設備を決める前に現場の課題や省力化効果を整理する公的な相談先として利用できます。相談は岐阜県よろず支援拠点で受け付けています。

検討タイミングの目安と「発注前に確認」の鉄則

一般型第7回の通常の申請受付は、2026年7月31日17時に終了しました。第8回は、2026年8月中旬に公募開始、9月中旬に申請受付開始、10月中旬に申請締切の予定です。

詳細日程は後日公表されるため、一般型の公式公募スケジュールで更新を確認してください。カタログ注文型は、おおむね2027年3月末頃まで申請受付が予定されています。

どちらの型も、交付決定前の契約・発注は原則として補助対象外となるため、設備を発注する前に最新の公募要領と申請手順を確認してください。

よくあるご質問

Q. ものづくり補助金とどちらを選べばいいですか?

A. 制度が想定する投資目的と要件を比べて選びます。新製品・新サービスの開発を考える場合は、ものづくり補助金など別制度も候補になります。

新事業進出補助金とものづくり補助金は別の制度であり、省力化補助金とも要件が異なります。

複数制度に当てはまりそうな場合は、対象経費、事業目的、公募時期をそれぞれの公募要領で比較してください。関連記事:新事業進出補助金・ものづくり補助金の準備日程

Q. 小さな会社でも一般型の「最大1億円」は関係ありますか?

A. 一般型の1億円は、従業員101人以上で大幅賃上げ特例を満たす場合の上限額です。従業員5人以下は通常750万円・同特例で1,000万円、6~20人は通常1,500万円・同特例で2,000万円が上限です。

会社の規模だけでなく、従業員数と特例要件から自社の上限額を確認してください。

Q. カタログにない設備を入れたい場合は?

A. 一般型の対象になる可能性を検討します。ただし、カタログにないことだけで対象になるわけではありません。設備による省力化効果、対象経費、労働生産性や賃上げに関する要件を満たし、事業計画の審査を受ける必要があります。

設備を決定・発注する前に、一般型の最新の公募要領と照合してください。

まとめ

省力化補助金は、人手不足の解消につながる設備投資を支援する制度です。カタログ注文型は登録製品から選ぶ方式、一般型は事業者ごとの省力化投資計画を審査する方式です。補助上限額は類型と従業員数によって異なり、最大額には賃上げなどの追加要件があります。設備を発注する前に、最新の公募要領で対象設備、対象経費、申請期限を確認してください。

制度選びや申請準備のご相談は、記事下の「お問い合わせはこちら」からお送りください。

公式情報

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案への適用や採択を保証するものではありません。補助上限額、補助率、受付期間等は変更されることがあります。応募の際は、必ず公式サイトの最新の公募要領をご確認ください。(最終確認日:2026年8月3日)

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